公益財団法人 藤原ナチュラルヒストリー振興財団 | Fujiwara Natural History Foundation

2021.07.21 学術研究助成

第28回(2019年度)学術研究助成 研究成果報告書

2021.07.01 助成案内

学術研究助成応募要領 (2021年度)

2021.07.01 助成案内

高等学校助成募集案内 (2021年度)

2021.06.21 フォトコンテスト

第8回中学生・高校生フォトコンテスト開催

2021.06.07 高校生ポスター研究発表

第11回高校生ポスター研究発表のオンライン開催について【最終版・2021年7月20日】

2021.05.10 助成案内

2019年度高等学校助成(旧備品助成)結果報告

2021.04.09 情報公開

2021年度事業計画

2021.04.09 情報公開

2021年度収支予算書

2021.03.31 助成案内

高等学校(旧備品)助成対象者一覧(2020年度・第29回)

2021.03.31 助成案内

学術研究助成対象者一覧(2020年度・第29回)

2021.03.05 助成案内

第28回学術研究助成 研究成果報告書・決算書 (2019年度)

2021.01.29 助成案内

第29回学術研究助成 実行予算書 (2020年度)

第10回高校生ポスター研究発表報告 2019.12.17


今年の研究発表会では19件(13校)のポスター発表が行われた。

8人の審査員が「自然史(ナチュラルヒストリー)という視点」に留意しながら5段階評価を行った。

その結果、東京都立江北高等学校の青木亮太さん・秀野拓海さん・岡村美音さん・内田結理さん・土橋峡介さん・寺島輝さん・石井千晴さん・成田明日翔さんによる「環境によるゴカイの体重変化を調べる」が最優秀賞に選ばれた。

また、安田学園高等学校の川口拓真さんによる「ミツバチの記憶・学習能力の発達要因」と浦和実業学園高等学校の池田拓史さん・大瀧颯祐さん・湯谷哲也さんによる「光単一環境によるマダイの色揚げ効果」の2件が優秀賞に選ばれた。

これら3件以外の発表にも優れたものが多く、今後の発展を期待できる。


【レポート】松浦啓一(国立科学博物館名誉研究員・財団理事)

今年の発表者の総数は48名に上り、指導教員や見学者、審査員を加えると参加者の総数は90名(高校生は68名)となり、発表会場は熱気に包まれていました。研究発表を行った高校生と指導された先生方にお礼を申し上げます。

研究発表の内容は実験的なものから野外における地道な観察に基づくもの、あるいはそれらを組み合わせたものなど、多岐に渡っていました。「自然史」は多様な対象を研究しますから、当財団が主催する研究発表会に参加する高校生の研究内容が多様であることは当然のことかもしれませんが、大変心強く感じました。表彰された3件は、先輩達の過去の研究を発展させた研究や緻密な実験計画に基づいてミツバチの学習能力を研究したもの、そして養殖マダイの色揚げ効果を実験的に研究するものなど、非常に興味深いものでした。ミツバチを研究対象にした発表がもう1件ありました。ミツバチのコロニーに見られる「生きた鎖」を研究するという大変意欲的な内容でした。わずかの差で表彰されませんでしたが、意欲的な内容であり、今後の発展を大いに期待したいと思います。

選に漏れた他の発表にも優れた研究が多数ありました。DNA解析を用いてトウキョウサンショウウオ個体群の分散経路を研究した例やホタルの発光反応を研究した例などを見ると、高度の研究方法が高校生に広く行き渡っていることが分かります。また、SNSを用いてワカケホンセイインコの生息分布状況を調べた研究やボルネオのオランウータンの研究のように、外来生物や絶滅に瀕している生物を対象としたものもありました。生物多様性や地球環境の保全が重要であることは論を待ちませんが、自らの研究によって現代的課題に挑戦することはとても大切です。

三浦半島の貝形虫に関する研究は、新種発表をゴールとするものであり、まさに自然史研究そのものです。高校生による新種発表論文を目指しているとのことですから、ぜひ、目標を達成して欲しいと思います。セミの抜け殻による環境調査はなかなか興味深い内容であり、地道な調査に基づいていました。今後は自分たちが収集したデータを他の地域における先行研究と比較するなど、調査結果を客観的に検討することが大切だと思われます。

その他の発表も自分たちの発想にもとづくものや高校付近の環境や生物を対象にしたものが多く見られました。身近な研究対象を選ぶことはとても良いことです。ただし、研究を行う際には、研究対象および研究課題を明確にすることが大切です。自然や生物を漠然と見ているだけでは研究は進みません。研究を始める前に、何を明らかにするのか研究目標を明確にし、研究方法を様々な角度から検討することが重要です。そして、独りよがりにならないように、先行研究を参照し、書籍や論文を検討することも大切です。


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【最優秀賞】

環境によるゴカイの体重変化を調べる

この度は,最優秀賞をいただくことができ大変うれしく思っています。どの高校の研究も素晴らしいものばかりで賞を取るのは難しいだろう考えていましたが,このような結果になりとても驚いています。先輩方からゴカイの研究を引き継ぎ,生物部の仲間と地道に研究を重ねてきた甲斐がありました。ポスター発表でいただいたアドバイスを生かしてよりよい研究をしていきたいです。

東京都立江北高等学校 青木亮太・秀野拓海・岡村美音

内田結理・土橋峡介・寺島 輝

石井千晴・成田明日翔


【優秀賞】

ミツバチの記憶・学習能力の発達要因

優秀賞を頂けたことを大変光栄に思います。この研究に対して多くのご指摘をいただき、とても参考になりました。それらの視点を活かしながら研究を続け、ミツバチの記憶・学習能力の謎を解き明かしていきたいと思っています。シンポジウムも含め、大変良い経験になりました。誠にありがとうございました。

安田学園高等学校 川口拓真


光単一環境によるマダイの色揚げ効果

今まで様々な研究発表大会に参加していましたが、今回の発表会では学芸員の皆様や、専門の分野の方々から様々なご指摘を頂き、研究を発展させるにあたりとても参考になりました。来年も挑戦したいと考えています。また、ポスター発表の後に参加したシンポジウムも知らないことや新たな発見がたくさんあって、聞いていてとても楽しかったです。

浦和実業学園高等学校 池田拓史・大瀧颯祐・湯谷哲也


第10回高校生ポスター研究発表・参加校一覧 (PDF/226.7KB)

公益財団法人 藤原ナチュラルヒストリー振興財団

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当財団は、ナチュラルヒストリーの研究の振興に寄与することを目的に、1980年に設立され、2012年に公益財団法人に移行しました。財団の基金は故藤原基男氏が遺贈された浄財に基づいています。氏は生前、活発に企業活動を営みながら、自然界における生物の営みにも多大の関心をもち続け、ナチュラルヒストリーに関する学術研究の振興を通じて社会に貢献することを期待されました。設立以後の本財団は、一貫して、高等学校における実験を通じての学習を支援し、また、ナチュラルヒストリーの学術研究に助成を続けてきました。2020年3月までに、学術研究助成796件、高等学校への助成102件を実施しました。