公益財団法人 藤原ナチュラルヒストリー振興財団 | Fujiwara Natural History Foundation

2024.12.03 シンポジウム

第16回シンポジウム「新種発見の自然史」(ハイブリッド形式)感想 

2024.11.26 高校生ポスター研究発表

第14回高校生ポスター研究発表報告

2024.09.30 フォトコンテスト

第16回 フォトコンテスト開催【10月1日募集開始】

2024.07.29 高校生ポスター研究発表

第14回高校生ポスター研究発表(2024年度)オンライン開催のお知らせ

2024.07.25 シンポジウム

第16回シンポジウム 開催のお知らせ【参加申込締切りました】

2024.07.18 役員名簿

令和6(2024)年度役員名簿

2024.07.01 助成案内

高等学校助成募集案内 (2024年度)

2024.07.01 助成案内

学術研究助成応募要領 (2024年度・第33回)【7月1日申請受付開始】

2024.07.01 フォトコンテスト

第11回中学生・高校生フォトコンテスト開催

2024.06.27 決算報告

2023年度決算報告書

2024.06.27 情報公開

2023年度事業報告書

2024.06.14 助成案内

高等学校(旧備品)助成対象者一覧(2023年度・第32回)

第14回高校生ポスター研究発表報告 2024.11.26

2024年11月10日(日)に、第14回高校生ポスター研究発表を開催しました。本年もオンラインで開催し、全国各地から10校が参加し、10校のポスター発表が行われました。

参加校はZoomで参加し、説明4分、質疑応答3分の計7分で発表が行われました。全参加校の発表終了後、参加校はそれぞれ財団より割り当てられた3つのブレイクアウトルームに分かれ、審査員が各ブレイクアウトルームを回り、質疑応答がなされました。

審査は、10人の審査員が「自然史(ナチュラルヒストリー)という視点」に留意しながら5段階評価を行いました。

その結果、最優秀賞には、学校法人池田学園 池田高等学校の「九州のゲンジボタルの明滅周期に関する研究」が、優秀賞には、早稲田大学高等学院の「沖縄県産マメスナギンチャク刺胞毒解析とカクレクマノミにおける耐性の解明」と、学校法人三木学園 白陵高等学校の「日本産カマス属魚類の鰓に寄生するCaniongiella属単生類の分類学的研究」の2件が選ばれました。

発表者詳細とコメント・ポスター研究発表のレポートは下記の記載のとおりです。

これら3件以外の発表にも優れたものが多く、今年度も僅差での入賞決定となり今後の発展を期待しています。

【総評】西田 治文 (財団理事)

本年度は10校10件,のべ44名の参加がありました。研究にいそしんだ高校生諸君及び指導にあたられた先生方と関係各位には,財団関係者一同,心より感謝申し上げます。

今年は発表のすべてが生物系でした。環境や生態系,生物多様性保全など社会問題を扱う題材が増えていることは近年の特徴で、今年もそれが目立ちました。また,観察や現象の解析に最新の技術を用いることができるようにもなっており,それを駆使した発表も増えています。

研究の目的や方法,ポスター作成という発表手段のやり方などについては,参加校周囲の自然環境や各校の施設設備を含めた作業環境,さらに指導者の専門性や援助組織の有無など"各校ごとの事情"に左右されます。審査員が皆さんの発表を評価する際にはそのような事情も拝見しますが,かといってたとえば施設設備が整っているところと,万全とは言えないところとの間でそれだけを理由に優劣に差がつくことはありません。私たちが重視するのは,新たな発見や理解を導くに至る動機と,何よりも研究対象そのものを皆さんの五感がどう体験し,どのような疑問を持ち,それをどのような手段で解明したり理解することにつなげたかという過程です。

審査員はそれぞれ異なる分野と専門を持っていますが、評価の結果は驚くほど似ています。毎年のことですが,すべての発表に私たちは驚いたり感心したり,あるいは勉強させられます。したがって,評価に順位はつきますが最終講評ではいつも「僅差でした」という表現になります。一方で,研究者の視点からときには辛口の批評や示唆をいたします。これは皆さんが科学を行っているからで,そのような意見のやりとりが,科学そのものと,何よりも皆さんの成長に不可欠だからです。

最優秀となった池田学園池田高等学校の発表は,定説への疑問,新事実を明らかにするための新たな手法の活用,得られた結果についての考察と今後の問題点の提起において,総合的な高評価を得ました。すべての発表についてそれぞれの審査員からは個別のコメントが寄せられていると思います。どうぞそれらを活かしつつ,自然史をより広い興味と感心で今後も堪能してください。

自然史は生き物だけでなく,自然全般を観察し研究や考察の対象とする幅広いものです。現在の高校カリキュラムでは地学や自然地理などの教育機会が減り,指導者も不足しています。そのような現状ではいたしかたないことですが,広い視野で自然を楽しみ見つめるという自然への窓口がこの発表会を通じて見直されることを期待します。来年度の参加も心待ちにいたしております


【最優秀賞】

九州のゲンジボタルの明滅周期に関する研究

学校法人池田学園 池田高等学校
田口 世南・早川 葵・鎌田 美舞菜

最優秀賞 池田学園池田高等学校.jpg

今回、最優秀賞をいただけてとても嬉しいです。MATLABで自作したプログラムで多くの動画を解析し、ゲンジボタルの明滅周期の新定義を発見しました。 日々の地道な計測が結果につながり、データサイエンスの有用性を実感しました。まだ分からないことがあるので、審査の先生がくださったご助言を活かして、研究に励んでいきます。

【優秀賞】

沖縄県産マメスナギンチャク刺胞毒解析とカクレクマノミにおける耐性の解明

早稲田大学高等学院
鈴木 雅人

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趣味のサンゴ飼育で感じた疑問から本研究は始まりました。サンゴが持つ「謎」を解明するために様々な手法で実験を行いました。今後は審査員の皆様に頂いたアドバイスを参考に本研究を続け、さらに発展させていきたいと考えております。 このような貴重な機会を用意してくださりありがとうございました

日本産カマス属魚類の鰓に寄生するCaniongiella属単生類の分類学的研究」

学校法人三木学園 白陵高等学校
下山 小梅・山本 栞奈・堀川 莉緒

優秀賞 白陵高等学校.jpg

この度は、優秀賞をいただくことができて大変嬉しいです。研究を進める上でたくさん助けてくれた同級生や先生には感謝の気持ちでいっぱいです。今回いただいた様々な有益なご指摘は、成果を今後論文にまとめていく上で参考にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

公益財団法人 藤原ナチュラルヒストリー振興財団

〒153-0051
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TEL
03-3713-5635

当財団は、ナチュラルヒストリーの研究の振興に寄与することを目的に、1980年に設立され、2012年に公益財団法人に移行しました。財団の基金は故藤原基男氏が遺贈された浄財に基づいています。氏は生前、活発に企業活動を営みながら、自然界における生物の営みにも多大の関心をもち続け、ナチュラルヒストリーに関する学術研究の振興を通じて社会に貢献することを期待されました。設立以後の本財団は、一貫して、高等学校における実験を通じての学習を支援し、また、ナチュラルヒストリーの学術研究に助成を続けてきました。2024年3月までに、学術研究助成883件、高等学校への助成127件を実施しました。