第11回中学生・高校生フォトコンテスト結果発表および受賞作品・コメント 2024.12.25
第11回中学生・高校生フォトコンテストの審査結果を発表します。以下は審査委員長からの講評、受賞作品および受賞者のコメントです。
後日、応募いただいた全作品を掲載する予定です。
審査経過
公益財団法人藤原ナチュラルヒストリー振興財団では、2024年度も引き続き中高生を対象にテーマを決めたフォトコンテストを行った。今年度のテーマも「身近な自然史」とし、応募期間は2024年7月1日~2024年9月30日とし、応募方法はメール添付のみとした。
募集方法としては、財団ウェブサイトへの掲載、インターネットのコンテスト情報掲載サイト(登竜門)へ登録、また海外の日本人学校などへメール等で募集要項を送った。
応募作品は223作品であった。なお、海外の日本人学校等からは8校13作品の応募があった。
今回も多数の応募があったため、作品を2グループに分け、財団役員等も2グループに分けた上で一次審査を行い、各審査員が5作品ずつ選出して一次審査を行った結果、43作品に絞られた。
二次審査は、同じく前述の財団役員等が一次審査で選出した43作品の中から、各々最優秀作品1作品、優秀作品2作品を選び、最優秀作品は1票で2点、優秀作品は1票で1点として集計した。
その結果、得点があった作品は19作品あり、総合得点6点を得た「111. 飛来」が最優秀作品に選考された。「111. 飛来」は5羽のタンチョウが雪原に飛来したところを捉えた作品で、羽を広げた鳥から着地した鳥まで連続した様子が捉えられている。
優秀賞作品は、5得点を得た「204. ちいさな、関係。」と4点を得た「46. 街を眺める」の2作品が選考された。
「204. ちいさな、関係。」はハエトリグモが餌のアブラムシを捕えた様子を写した作品であるが、どこかユーモラスである。「46. 街を眺める」は街明かりが見える高台にポツンと佇む1頭の鹿を捉えた作品で、夕暮れ時の哀愁が漂っている。
このほか二次審査に進み、2得点以上を得た12作品を佳作とした。
一次審査通過作品
「5.発見!ダブルレインボー 」、「7.馳せる 」、「8.自然に助けられた日 」、「15. 大乱舞」(佳作)、「16. 君に負けない」(佳作)、「24. 猫視眈々」、「29. 多幸」、「39. 家族は俺が守る!」(佳作)、「40.水鏡に映るフラミンゴ」、「43.ラランジャの奇跡 」、「46. 街を眺める」(優)、「49.庭園の美食家 」、「53.隠れ家 」、「57.渦巻き貝 」、「67.緑、緑、緑 」、「69. 夜空の羽衣」(佳作)、「75.下からの景色 」、「76. 光へ」(佳作)、「80.sanset in Okinawa」、「86. 旅支度」(佳作)、「90.後世へ繋ぐ食物連鎖 」、「111. 飛来」(最優)、「112. アゲハチョウの青春」(佳作)、「114. 春と冬のコントラスト」(佳作)、「118.恐竜の足跡 」、「127.青色の通学路 」、「129.静寂の森に佇む時 」、「131. 空の王者」(佳作)、「134.見守る大地と水の息吹」、「165.1人の山登り 」、「166. 愛の形」(佳作)、「174. 彩雲」、「176.ちっぽけなわたし 」、「179.生き抜いた証 」、「189.猛然たる水飛沫 」、「192.早朝の陽光を浴びて 」、「198. 愛情」(佳作)、「204. ちいさな、関係。」(優)、「205.黄色の春をひとりじめ 」、「209.上陸 」、「215. 通行人」(佳作)、「216. 晩冬の恵み」、「223.天海の翼 」講評
今回も200を超える応募があり盛況であった。審査員の皆様には昨年同様に苦労をおかけしたが、自然の素晴らしい瞬間を切り取った作品が多く寄せられ、作品のクオリティも高いものが多かった。来年度も今年以上にオリジナリティに富んだ自然界を捉えた作品の応募を期待する。
【最優秀賞】
No. 111「飛来」
朝比奈 灯利|立川市立立川第一中学校
この度は、最優秀賞にご選考していただき、ありがとうございます。この写真は、釧路でタンチョウの写真を撮っていた際に、偶然撮れた一枚です。大きな翼を広げながら映画のフィルムのように飛来するタンチョウに、自然の神秘を憶えます。これからもタンチョウが大空を羽撃く、雄大な自然が世界に遺り続けることが私の願いです。
(写真をクリックすると大きいサイズで見ることができます。優秀賞、佳作も同様です。)
【優秀賞】
No. 204「ちいさな、関係。」
田村 和暉|茗溪学園高等学校
私は、幼い頃からから昆虫に魅せられ、昆虫の写真を趣味で撮り続けていました。昆虫やクモなどの生物の面白いところは、この写 真のような関係が私たちの身近な場所で観察できる点です。今回このような名誉ある賞を頂きとても光栄に思います。この写真で少 しでも生物に興味を持っていただけましたら幸いです。
【佳作】
No. 15「大乱舞」
市川 真之介|常総学院高等学校
この度は佳作に選んでいただき、ありがとうございます。この写真は、冬に集まって越冬するスズメの様子を上手く捉えた一枚だと 思います。これだけたくさんのスズメがいますが、近年、生息環境の変化などにより個体数が減少していると言われています。いつ までもこの光景に出会える世界であって欲しいと願っています。
No. 16「君に負けない」
丹羽 彩乃|帝京大学可児高等学校
この度は佳作に選んでいただき誠にありがとうございます。 7月の暑い日、青い空のしたで大きな花を咲かせていた向日葵。その上を2匹の蜂がまるで競い合っているかのように見え、その様子 を写真に残してみました。夏の暑さに負けないほどの熱い戦いを感じていただければ幸いです。
No. 39「家族は俺が守る!」
安賀 奈穂|小林聖心女子学院中学校
今年の春から父にカメラを教えてもらうようになりました。夏に北海道の士幌線跡を散歩した時、鹿の家族と遭遇しました。父鹿の 凛としたたたずまいに圧倒され、「家族は俺が守る」とにらみつけられているように感じました。これからも日常に起こるすてきなことをカメラに収められたらいいなと思います。今回は賞をいただきありがとうございました。
No. 69「夜空の羽衣」
井上 慧|京都市立開睛小中学校
この度は、佳作に選出頂き、誠にありがとうございます。カナダに家族でオーロラ観測に行った日に運よく磁気嵐が訪れ、-30℃の極 寒の中で鮮やかなオーロラを夢中で撮影しました。星空を背景にたなびくオーロラの下を飛行機が通り、オーロラがとても高いとこ ろに現れていることを実感することができた瞬間の写真です。
No. 76「光へ」
砂田 莉愛|高等学校生
この度は佳作に選出して頂きありがとうございます。この作品は友人と川遊びに行った際に撮ったもので、薄暗い森の中に生い茂る木々の葉の隙間から一筋の光が切り株に注がれ、切り株から生える小さな芽が光に向かって伸びているように感じました。初めて一眼レフで撮影をしたので見たままの景色を写真に切り取るのは難しかったのですが、自然の生命の力強さを感じていただければ嬉しいです。
No. 86「旅支度」
松下 愛|姫路女学院高等学校
お知らせをいただいてまさかこの写真が佳作になるとは思いもしませんでした。佳作に選んでいただきありがとうございました。初めて一眼レフで撮った写真なので、撮り方がわからず苦労した記憶があります。これからもコウノトリの綺麗な姿を撮ろうと思います。
No. 112「アゲハチョウの青春」
前田 琉和|大阪市立大正北中学校
この度は佳作に選んでいただきありがとうございます。 この写真は、奈良県へ桜並木を撮りに行った時に撮影したものです。 桜の花を背景に2頭のアゲハチョウがクルクルと舞うような仕草をしていて、まるでデートをしているように見えたのでタイトルに『青春』という文字を付けました。
No. 114「春と冬のコントラスト」
山下 竜生|東京都立成瀬高等学校
今回、藤原ナチュラルヒストリーの高校生フォトコンテストで佳作に選ばれたことをとても嬉しく思います。僕はこれから、今まで目を向けていなかった身近な自然などに興味を持って目を向けたり、写真を撮ったりしてみようと思います。
No. 131「空の王者」
三田村 宙軌|福井県立武生高等学校
この度は佳作に選んでいただき、ありがとうございます。この鳥は、空の王者と呼ばれるイヌワシの幼鳥で、両翼と尾羽の白い模様 が特徴です。この日は思いがけず近くを飛び、カメラでは羽根の一枚一枚が見えるほどでした。逆光で翼が透け、より一層その美し さを感じました。今後も様々な鳥、自然を撮り続けていきたいです。
No. 166「愛の形」
瀬尾 瞭太|三田学園中学校
この度は佳作に選んでいただきありがとうございます。この写真は植物園に行った時に撮ったものです. 撮った時には気づきませんでしたが、見返したときに、「愛」を表す写真として良い写真だと感じたので「愛の形」というタイトルと共に応募しました。皆さんも、日常に潜む「愛」探してみてはいかがでしょうか。
No. 198「愛情」
赤木 伸太朗|東京学芸大学附属国際中等教育学校
佳作に選出して頂きありがとうございます。見てくださる方々に、都心の公園で逞しく生き抜くカイツブリの姿を垣間見れたらと思います。私もこのような写真を再び撮れるよう精進したいと存じます。この度は、本当にありがとう御座います。
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当財団は、ナチュラルヒストリーの研究の振興に寄与することを目的に、1980年に設立され、2012年に公益財団法人に移行しました。財団の基金は故藤原基男氏が遺贈された浄財に基づいています。氏は生前、活発に企業活動を営みながら、自然界における生物の営みにも多大の関心をもち続け、ナチュラルヒストリーに関する学術研究の振興を通じて社会に貢献することを期待されました。設立以後の本財団は、一貫して、高等学校における実験を通じての学習を支援し、また、ナチュラルヒストリーの学術研究に助成を続けてきました。2024年3月までに、学術研究助成883件、高等学校への助成127件を実施しました。