ナチュラルヒストリーを学び、究める。公益財団法人藤原ナチュラルヒストリー振興財団

コラム

写真: 大松 智也「時を超えて」
(第2回中学生・高校生フォトコンテスト優秀賞)

新着情報

カテゴリ: 高校生ポスター発表

2017年8月10日

第8回高校生ポスター研究発表募集

カテゴリ: シンポジウム

2017年8月10日

第9回シンポジウム開催のお知らせ

カテゴリ: フォトコンテスト

2017年7月 3日

第4回中学生・高校生フォトコンテスト開催

カテゴリ: 情報公開

2017年6月30日

平成29(2017)年度役員名簿

カテゴリ: 助成案内

2017年6月30日

高等学校助成募集案内 (平成29年度)

カテゴリ: 助成案内

2017年6月30日

学術研究助成応募要領 (平成29年度)

カテゴリ: 情報公開

2017年6月13日

平成28年度事業報告書

HOME / コラム

ツノアブラムシのゴール、社会性、生活環 | 2011年2月19日

著者: 黒須 詩子 (中央大学経済学部)

昆虫が、産卵したり、摂食したりする刺激で植物組織を自らに都合良く変形させてつくる「巣」のような構造を、ゴール(虫えい、虫こぶ)といいます。私は、博士論文の研究対象として、エゴノネコアシアブラムシCeratovacuna nekoashiを選び、そのゴール形成のプロセスや、社会性の進化について調べました。研究の基礎となるヒラタアブラムシ亜科Hormaphidinaeツノアブラムシ族Cerataphidini(エゴノネコアシアブラムシを含むグループ)の分類について勉強する段階で、このグループは熱帯域を含む東南アジアにおよそ70種が分布し、多くが常緑のエゴノキ属にゴールを作るということを知り、ぜひ、実際に調査してみたいものと考えていました。19世紀末から20世紀前半の文献の挿絵にあるインドネシアやマレーシアのゴールは、希に見る奇妙な形をしたものばかりです。私は、無給の研究員を続けていましたが、幸運にも、藤原ナチュラルヒストリー振興財団から研究費を2度にわたって頂く機会に恵まれ、ツノアブラムシ族のゴールを実際に観察し、その仲間について抱いていた曖昧模糊としたイメージを、現実のものとして把握する機会を得ることができました。女性である私に、A. ウォレスのような探検家のまねごとなどはできませんが、それでも、何回かの東南アジアへの旅は、すばらしい体験で、冒険心を満足させてくれるのに十分でした。

[全文を読む]

ヤムシの魅力 | 2010年2月24日

著者: 後藤 太一郎 (三重大学教育学部)

動物の系統と進化に関する研究は、形態学的な手法とともに様々な分子を指標として調べられるようになって急速に進展しましたが、未だに類縁関係が不明な動物グループもいます。その一つが、私が研究対象としている毛顎動物(毛顎動物)です。この動物は海産で、その多くはプランクトンとして生息し、魚類の餌となるなど、海洋生態系では重要な位置を占めています。体は矢のような形をしており、動きが素早いことからヤムシ(矢虫)と呼ばれます。動物の系統は大きく旧口動物(初期胚に形成される原口が口になる発生様式をとる)と新口動物(原口が肛門になる発生様式をとる)に分けられます。ヤムシの発生様式は新口動物に似ていますが、体の構造は旧口動物に近いものであるため、ヤムシをどちらに置くべきか、長い間議論が続いていました。遺伝子を使った分子系統解析から新口動物でないことは確かなようですが、旧口動物の中でも節足動物などの脱皮動物群か軟体動物や環形動物などの冠輪動物群のいずれかに属すのか、あるいはいずれにも属さないのか、未だに議論が続いています。ヤムシの体は透明で美しく、その素早い動きは魅力的です。しかも、系統的位置以外にも分かっていないことが多いため、ある生物現象がヤムシではどうなっているか、少しでも多くのことを明らかにしたいと思い、もう30年もヤムシと付き合っています。

[全文を読む]

間隙水に棲む貝形虫類-垣間見る驚異的な種多様性- | 2010年2月23日

著者: 塚越 哲 (静岡大学理学部)

浜辺の砂を掘ると水が湧いてきます。この水を間隙水といいますが、この間隙水からは、これまで実に20以上の動物門の生物が世界中から報告されています。その中には、腹毛動物や動吻動物のように日常的にあまり知られていない生物から、刺胞動物(クラゲの仲間)、軟体動物(巻貝の仲間)それに私たちと同一祖先をもつ脊索動物(ホヤの仲間)までもが含まれています。間隙水の中は我々が日常目にすることのない場所ですが、多種多様な微小動物が独自の世界を作って生息しているのです。ここでは、微小甲殻類である貝形虫類(カイミジンコ、Ostracoda)を例にして、その驚異的な種数と生物多様性・生物進化研究への展望についてご紹介します。

[全文を読む]

変な生き物探し | 2010年2月 1日

著者: 太田 次郎 (お茶の水大学名誉教授/元学長 江戸川大学名誉教授/元学長)

生物学の研究室では、変な生き物たちが幅をきかせている。ショウジョウバエ、アフリカツメガエル、C.エレガンスと通称されている線虫、植物ではシロイヌナズナなどである。いずれも、研究者により大事に飼育あるいは栽培され、様々な変種もつくられている。

[全文を読む]

隠されていた月最古の火成活動 | 2009年11月30日

著者: 寺田 健太郎 (広島大学大学院理学研究科)

私達万人を魅了する「月」。その理由の一つに、満月の時の「ウサギの餅つき」に例えられる「白と黒」の美しいコントラストがあります。あのシルエットはいつ頃、どのようにしてできたのでしょうか? この素朴な疑問は、実は「月の科学」において未だ解決されていない最も重要な研究テーマの一つです。筆者らは「月隕石の局所年代分析」という世界的にも類を見ない独自の分析法を駆使し、この問題解明に取り組んでいます。

[全文を読む]