第12回中学生・高校生フォトコンテスト結果発表および受賞作品・コメント 2025.12.22
第12回中学生・高校生フォトコンテストの審査結果を発表します。以下は審査委員長からの講評、受賞作品および受賞者のコメントです。
後日、応募いただいた全作品を掲載する予定です。
審査経過
公益財団法人藤原ナチュラルヒストリー振興財団では、2025年度も引き続き中高生を対象にテーマを決めたフォトコンテストを行った。今年度のテーマも「身近な自然史」とし、応募期間は2025年7月1日~2025年9月15日とし、応募方法はメール添付のみとした。
募集方法としては、財団ウェブサイトへの掲載、インターネットのコンテスト情報掲載サイト(登竜門)への登録、また海外の日本人学校へメールで募集要項を送った。
応募作品は96作品であった。なお、海外の日本人学校からは3校3作品の応募があった。
一次審査として、財団役員等が96作品からそれぞれ10作品を選び、その中からさらに最も良い作品を1つ選んだ。選ばれた作品をそれぞれ1点とし、最も良い作品はさらに1点を加算する事とした。集計の結果、4得点以上を得た作品を一次審査通過作品とし、20作品が選ばれた。
二次審査は、同じく前述の財団役員等が一次審査で選出した20作品の中から、各々最優秀作品1作品、優秀作品2作品を選び、最優秀作品は1票で2点、優秀作品は1票で1点として集計した。
その結果、17作品に得点が入り、総合得点16点を獲得した「63. 瞳」が最優秀作品に選出された。撮影者によれば、タイ滞在中にフクロウの巣を発見し、観察を続ける中で鋭い眼光を放つ瞬間を捉えた、力強さに満ちた作品である。
優秀作品には、いずれも7点を獲得した「23. 黄金色に染まる乳房雲」と「66. 伊豆沼の朝」の2作品が選ばれた。「23. 黄金色に染まる乳房雲」は、夏空に現れた乳房雲が夕日に照らされ黄金色に染まる様子をとらえた、迫力ある作品である。「66. 伊豆沼の朝」は、早朝の伊豆沼で日の出とともに水鳥が一斉に飛び立つ瞬間を捉えた、清々しく美しい作品である。
このほか二次審査に進み、2得点以上を得た9作品を佳作とした。
一次審査通過作品
「1. 空へと続く道」(佳作)、「15. 夏空に呼びかける」(佳作)、「16. 知床の守り神」(佳作)、「23. 黄金色に染まる乳房雲」(優)、「29. 迫 」(佳作)、「31. 岩間に映える」(佳作)、「33. ここはどこなの?」、「37. それ、花じゃないですよ」、「40. 小さな命」、「45. 殃影」(佳作)、「47. 冬の山奥」、「53. 光風燦燦」(佳作)、「63. 瞳」(最優)、「65. 独り静かに桜を愛でる」、「66. 伊豆沼の朝」(優)、「71. 躍動」(佳作)、「82. おやつ」(佳作)、「89. よくみると美しい嫌われ者」、「92. フェンス越しの秘密の住人」、「94. 2つの碧」講評
今回は、昨年度と比べ応募作品数はやや減少したものの、自然の素晴らしさを多面的に表現したクオリティの高い作品が多数寄せられ、審査には大いに苦慮した。来年度も、今年以上にオリジナリティに富み、自然界の魅力を捉えた作品の応募を期待したい。
【最優秀賞】
No. 63「瞳」
岩田 洸|福岡市立柏原中学校
バンコクの公園でインドコキンメフクロウの巣を発見し、2週間通って撮影した作品です。いつもは寝ていて可愛い印象ですが、目を開くとその瞳からは肉食鳥らしい強さや凛々しさを感じ、吸い込まれるようでした。同じ高さから撮影するために三脚と一脚を連結したり、怖がらせないように遠くから撮影するように工夫しました。
(写真をクリックすると大きいサイズで見ることができます。優秀賞、佳作も同様です。)
【優秀賞】
No. 23「黄金色に染まる乳房雲」
鈴木 一郎|福島県立白河実業高等学校
この度は、私の作品を優秀賞に選んでくださりありがとうございます。夏休み真っ只中ふと外を眺めてみると、まったく見たことのない乳房雲が空を覆っていました。また、時間帯も夕方だったので、美しい黄金色のグラデーションで撮ることができました。まさに「身近な自然史」は、自分のそばに存在していると実感した出来事でした。
【佳作】
No. 1「空へと続く道」
中宮 弘太郎|札幌市立北辰中学校
この度は佳作に選んでいただきありがとうございます。この作品は、水たまりに集まり巣材を運ぶイワツバメの姿を撮影したものです。イワツバメから滴る水滴が、まるで空へと続く小さな道のように見えたことから、「空へと続く道」というタイトルを付けました。
No. 15「夏空に呼びかける」
石村 小春|静岡大学教育学部附属島田中学校
この写真は、夏休みに家族で長野県乗鞍岳の剣ヶ峰に登った際に撮りました。コマクサの花や残雪、雪解け水の湖なども撮りましたが、一番構図が面白く撮れたのでこの写真を選びました。頂上の神社と小さな人。それに対比するように広がる青い空。自然の雄大さを感じた瞬間をおさめた写真です。
No. 16「知床の守り神」
竹本 光一|さいたま市立大宮国際中等教育学校
初めて母のお下がりのカメラを手にしたとき、「これですごい写真を撮るぞ!」と意気込んだことを覚えています。この写真は、僕が知床で経験したことのほんの一瞬を切り取ったものです。今回の受賞が、シマフクロウの迫力を少しでも皆さまにお伝えできた証であれば光栄です。素晴らしい賞をいただきありがとうございます。
No. 29「迫」
宙飛|福井県立武生高等学校
この度は佳作に選んでいただき、ありがとうございます。この鳥は、空の王者と呼ばれるイヌワシで、開翼長は2メートルもあります。最初は遠くで小さく見えただけでしたが、一瞬でこちらに迫ってきて圧倒的な迫力を感じさせてくれました。今後も撮り続けていきたいです。
No. 31「岩間に映える」
伊藤 朔|名古屋市立上社中学校
この度は佳作に選んでいただきありがとうございます。 この写真は夏の乗鞍岳で撮影したものです。 僕は高山という厳しい環境の中でも、可憐に咲くコマクサの生命力の強さを感じ、シャッターを切りました。 これからも心に響く自然の写真を撮り続け、その美しさや大切さについて多くの人に知ってもらえるきっかけになれたら嬉しいです。
No. 45「殃影」
昊人|大阪府立堺西高等学校
この度は、佳作に選んでいただき誠にありがとうございます。「殃影」は雨上がりの空に自分自身の心境を重ねた作品です。辛い雨が続き、晴れを願ったのに、いざ陽が差すと雨に恋しさとわずかな悲しみさえ覚える——。そんな揺れる心の陰影も写し取りました。今回の受賞を励みに精進し、これからも表現を探求します!
No. 53「光風燦燦」
齊藤 隼己|三田学園中学校
この度は佳作に選んでいただきありがとうございます。この写真は港の近くで、カモメが飛んでいく姿を撮影したものです。その飛び立つ美しさから晴れ上がった日の爽やかな風を意味する「光風」と太陽が明るく光り輝く様を意味する「燦燦」という言葉を合わせました。これからも自然の一瞬を撮っていきたいと思います。
No. 71「躍動」
加藤 瑶太|海津市立日新中学校
今回は佳作に選んでいただき大変光栄に思います。探鳥の写真撮影の趣味の継続で今回の瞬間に出会えたことに感謝しています。これからも楽しみながら頑張って撮っていきます。
No. 82「おやつ」
横山 裕樹|神奈川県立中央農業高等学校
この度は佳作に選んでいただき、誠にありがとうございます。自然公園で散歩中、カワセミがまるでおやつを頬張るかのように、嘴でエビを突いているところに会いました。まさに水辺の生態系の豊かさを表しているかのようで、私はこの身近な自然を見続けたいと感じました。
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当財団は、ナチュラルヒストリーの研究の振興に寄与することを目的に、1980年に設立され、2012年に公益財団法人に移行しました。財団の基金は故藤原基男氏が遺贈された浄財に基づいています。氏は生前、活発に企業活動を営みながら、自然界における生物の営みにも多大の関心をもち続け、ナチュラルヒストリーに関する学術研究の振興を通じて社会に貢献することを期待されました。設立以後の本財団は、一貫して、高等学校における実験を通じての学習を支援し、また、ナチュラルヒストリーの学術研究に助成を続けてきました。2024年3月までに、学術研究助成883件、高等学校への助成127件を実施しました。

