ナチュラルヒストリーを学び、究める。公益財団法人藤原ナチュラルヒストリー振興財団

コラム

写真: 大松 智也「時を超えて」
(第2回中学生・高校生フォトコンテスト優秀賞)

新着情報

カテゴリ: フォトコンテスト

2017年7月 3日

第4回中学生・高校生フォトコンテスト開催

カテゴリ: 情報公開

2017年6月30日

平成29(2017)年度役員名簿

カテゴリ: 助成案内

2017年6月30日

高等学校助成募集案内 (平成29年度)

カテゴリ: 助成案内

2017年6月30日

学術研究助成応募要領 (平成29年度)

カテゴリ: 情報公開

2017年6月13日

平成28年度事業報告書

カテゴリ: 情報公開

2017年6月13日

平成28年度決算報告書

カテゴリ: 助成案内

2017年4月14日

平成27年度高等学校助成(旧備品助成)結果報告

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シオガマギクの系統地理 | 2009年8月31日

著者: 藤井 紀行 (熊本大学理学部)

日本列島には今現在、約5,000~6,000種もの植物(維管束植物以上)が知られています。その中の約40%は日本に固有な植物と言われており、このことは日本列島の中において活発な種分化が生じたことを物語っています。日本列島はアジア大陸の東端に位置し、そこを舞台にさまざまな生物が行き交い、または新種が生まれてきたものと想像されます。今日本列島に見られる植物はいったいどこからやってきたのでしょうか。またどのように生じてきたのでしょう。私はそうした疑問に答えるために、DNAを使った系統地理学的な研究を進めてきました。

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ニハイチュウの自然史 | 2009年8月26日

著者: 古屋 秀隆 (大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻)

ニハイチュウ類は底棲の頭足類(タコ類、コウイカ類)の腎臓を包む袋状の腎嚢の内部を生活の場とする数ミリメートルの多細胞動物である(図1)。ニハイチュウ類は、古くからその少ない細胞数と単純な体制から、単細胞動物(原生動物)と多細胞動物(後生動物)をつなぐ中生動物(Mesozoa)として知られるが、その後、ニハイチュウは後生動物の一員であることがわかり、現在は二胚動物(Dicyemida: 2種類の幼生=胚をもつ意)としてあつかわれている。

ニハイチュウは、系統的に扁形動物、環形動物、および軟体動物などの仲間と関係が深いとみられている。つまりその見かけほど原始的な動物ではない。しかし、ニハイチュウには、それら関連のある動物群がもつ消化管、筋肉、神経などはいっさいみられない。これは、ニハイチュウが寄生生活に移った結果、ニハイチュウの体制が極度に単純化したためであると考えられている。ここでは、そのような想像を絶する体制の変化をとげたニハイチュウとはどのような動物か紹介する。

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恐竜時代のトカゲの新種化石について | 2009年7月17日

著者: 真鍋 真 (国立科学博物館)

図1:「桑島化石壁」(写真: 白峰化石調査センター)
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石川県白山市桑島(旧白峰村)には、手取層群桑島層という、白亜紀前期(約1億3000万年前)に河川とその周辺に堆積した泥岩、砂岩が露出しています。この大きな崖は、「桑島化石壁」と呼ばれ、1957年に日本最古の珪化木産地として国の天然記念物に指定されています(図1)。ここでは、1985年に、手取層群で最初の恐竜の化石が見つかった場所で、その後、数々の重要な化石が発見されています。私は大学院生だった1985年から、この地層の研究に参加しています。1997年から、この崖の裏側にトンネルが掘削されました。トンネル掘削の際に出て来た岩石の一部を、化石の調査のために約11,270立米(内、動物化石を含有するのは約270立米)を取り置き、現在も継続して化石の有無をチェックしています。

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ナチュラルヒストリー礼賛 | 2009年7月10日

著者: 速水 格 (東京大学名誉教授)

自然のありのままの姿とその仕組みや生い立ちを研究するナチュラルヒストリーは、人類が生まれながらにもっている知的好奇心に根ざす最も根源的な基礎科学で、まさに科学の原点であると思います。研究は生物科学・地球科学で扱うさまざまな自然の事物・事象を対象とするので、多くの専門分野に分かれ、目的や方法も多様ですが、いくつか共通する特徴があります。

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外洋に生きるウミアメンボ | 2009年1月 6日

著者: 井川 輝美 (盛岡大学文学部)

地球上で最も繁栄している生物は何でしょうか? 昆虫です。種数の多さでも様々な環境に適応している点でも他の生物を圧倒しています。記載されている昆虫の総種数は約95万種であり、この数は地球上の全生物の種数の半分以上を占めます。昆虫は、南極やヒマラヤ高地などの極寒の地にも赤道直下の熱帯にも生息しています。川にも砂漠にも住んでいます。

しかし、昆虫が不得意とする環境があります。海洋です。地球の表面積の約70%は海洋であるにもかかわらず、海に生息する昆虫はわずかで、そのほとんどが潮間帯に住んでいます。外洋に生息する昆虫はアメンボ科ウミアメンボ(Halobates)属の5種しかいません。陸では圧倒的な繁栄を誇る昆虫がなぜ海に生息域を拡大できなかったのか、海洋性昆虫たちがいかなる経路で海洋環境に進出し、どのように生きているのかは極めて興味深い問題です。

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